我が家の対話はゴミ箱に

 私も子どもに苦労をさせたくないと思わないわけではないが、苦労しない生き方はないだろうから、苦労の中に楽しみを見つけられるような人になってほしいと思う。

 そのために親ができることは、子どもの年齢によって随分変わると思う。「ダメなものはダメ」と親の考えを通す時期も必要だし、子どもの声に耳を傾け聞くことに集中する時期も必要だし、とにかく「待つ」ことを意識する時期も必要だと思う。でも、そういうことを冷静に判断するためには、親自身が安定した精神状態でいることが一番大切なように思う。とにかく広い心で太陽のように子どもを照らし続けること。

 そのために我が家では、子どもが思春期を迎えた頃に一つのルールを作った。私の愚痴は全部夫だけに話し、夫の愚痴は全部私だけが聞く。子どもの愚痴は全部親だけが聞く。他の人には言わないけど愚痴はためない。嫌なことは家で話してゴミ箱に全部捨てる。このルールを決めてから、我が家の会話はぐっと増えた。

 今、隣の家の坊やの成長がおもしろい。ベランダから新幹線を見て、「こっちきた~」「あっちいった~」と朝から何分かおきに叫んでいる。初夏には「きた~」「きた~」と叫んでいただけだったのに。このようすだと、晩秋には「700系~きた~」「N700系~いった~」と言うようになるのではないかと私はわくわくしている。

 振り返ってみると、我が子が「こっち」と「あっち」の違いがわかるようになった日も、「来た」と「行った」の違いがわかるようになった日も記憶にない。そういう小さな成長を見逃さないだけの余裕が私にはなかったのだと思う。もったいないことをしたなと思う。

 その時々を必死に生きていたつもりだったが、今となっては、後悔と懐かしさと笑いが残る。義務教育も後半年で終了。「卒業したら自分の責任と努力で生きていきなさい」とつい先日、言ったばかりだが、これからも子どもの心のゴミ箱くらいにはなってやらねばと思っている。

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by kiriko-no-mori | 2013-09-06 17:06 | つぶやき | Comments(0)
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作文から未来を創造する


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